『 孤独について 』 孤独との付き合い方を考えてみませんか?
はじめに
みなさん、こんにちは。Nカウンセリングオフィスの並木悠介です。本日のテーマは「孤独について」です。実はこの「孤独について」というテーマは、私が過去にいくつかの大学で似たような内容の記事を書いてきたので、もしかするとどこかで読んだことがある方もいっらしゃるかもしれません。
さて、ここ数年間、多くの方はコロナ禍の影響で人と人とのつながりが持ち辛い状況だったと思います。コロナ禍の当初はテレワークやオンライン授業などで、とにかく人と人との接触が少なくならざるを得なかったわけです。その後、様々な段階を経て!?徐々に人と人との交流が回復してきたように思います。そして、2023年3月13日から政府は以下のような方針を出しました(もうすぐ一年経つのですね・・・)。
<お知らせ>
これまで屋外では、マスク着用は原則不要、屋内では原則着用としていましたが
令和5年3月13日以降、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。
本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮をお願いします。
という感じで、一応マスクから解放され、人と人との交流もなんとなく自由が取り戻されつつあるように思いますが、物事はそうそう単純にはいかないものなのかもしれません。
例えば理研こと理化学研究所はつぎのような研究を行なっています。
孤独と聞くと多くの人はネガティブなイメージを持つことが多いかもしれません。しかし、心理学的な視点から見ると孤独には重要な役割があります。今だからこそ皆さんは孤独の様々な側面に目を向けて理解することがとても大切です。
私たちは社会的な生き物です。人間関係は私たちの生活に欠かせないものであり、また人間関係は日々の生活を充実させて幸福感や満足感につながることが多い重要な要因です。
しかし、時には誰しも孤独を感じて辛い気持ちになることがあります。例えば、友人や恋人、家族との関係が希薄になることも、今までの人間関係を失うこともあります。そんなときには、孤独を否定するのではなく積極的に受け入れることが大切になります。
自己を成長させる孤独
実は孤独にはポジティブな側面があります。孤独を経験することで、自己探求や自己成長が促されるのです。自分自身と向き合い、自己の価値観や興味を見つめ直すことで、自己理解を深めることができます。そして、自分自身との対話を通して自分自身に目を向けて、あるがままの自分を受け入れることや自分自身を大切にする視点に気づくことで自己肯定感を高めることができるのです。
さらに、孤独には創造性を高める効果もあります。他者との刺激がない状況でじっくりと自分自身と向き合うことで、新たなアイディアや視点が湧き上がることがあります。つまり孤独を活用することで、自分自身の考えを深く追求して自分自身の創造的な側面を引き出すことができるのです。
長期間の孤独は要注意!
孤独が持つポジティブな側面を理解する一方で、孤独が持つネガティブな側面も無視できません。長期間にわたる社会的な孤立や孤独は、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。近年の心理学の研究によると、長期的な孤独はストレスや抑うつ、不安、 自己肯定感の低下などのリスクを増加させることが示されています。
おわりに
孤独を感じることは誰にでもある自然なことであり、恥ずかしいことや避けるべきことではありません。自分自身を責めたり、否定したりするのではなく、自分自身を受け入れ、自分自身を尊重することが大切です。自分自身を大切にし、自分自身を理解する経験によって、他者との関係を今まで以上に深めることができるようになります。
もしも、孤独が続いて辛い時には人と話す場を持つことが重要です。第三者とじっくりと話すことで自分自身や孤独についての理解を深めることができます。この機会に丁寧に自分自身の在り方に目を向ける時間を持つことは、きっとこれからの人生を充実させる役に立ちます。
参考文献
諸富 祥彦(2006)「孤独」のちから 海竜社
Siu Long Lee et al.(2020) The association between loneliness and depressive symptoms among adults aged 50 years and older: a 12-year population-based cohort study
コメント
コメントを投稿