【もう迷わない】「やるべきこと」と「やりたいこと」の沼から抜け出す、心理学的方法

 


はじめに

 「本当はやりたくないけど、やるべきこと」 「今すぐやりたいけど、将来のためには良くないこと」

私たちの毎日は、こんな選択の連続ですよね。実は私もそうです。


 YouTubeショート動画をご覧いただき、ありがとうございます。Nカウンセリングオフィスの並木です。 動画では、選択に迷った時の新しい視点として、あなたの「価値」を大切にする方法を簡単にご紹介しました。


 この記事では、動画では十分にお伝え出来なかった「やるべきこと」と「やりたいこと」の沼から抜け出す心理学的方法について、もう少し深く、あなたの「心の羅針盤」である「価値」を見つけるためのヒントと、具体的なワークをご紹介します。


1. なぜ私たちは「べき」と「たい」で迷うのか?

  • 「〜すべき」の正体: これは、社会のルール、親の期待、上司の評価など、あなたの外側にある「ものさし」です。これらを守ることで、私たちは安心感を得たり、周囲との摩擦を避けたりします。しかし、これに縛られすぎると、自分の本当の気持ちが分からなくなり、心が疲弊してしまいます。

  • 「〜したい」の正体: これは、短期的な欲求や感情です。「甘いものが食べたい」「楽をしたい」といった、その場の快楽や不快の回避に基づいています。これに従うこと自体は悪くありませんが、長期的な幸せや目標を見失う原因にもなり得ます。


2. 第3の選択肢「価値」という羅針盤

 そこで登場するのが「価値(Values)」です。 これは、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)で非常に大切にされる概念です。アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)って何だろうという方もいらっしゃるかもしれません(というか、心理臨床の専門家でも詳しくない人の方がほとんどだと思います。私も詳しくは・・・ないです💦)が、説明すると非常に長く、分厚い本が一冊仕上がってしまうほどの話になってしまうので、詳しくは別の記事を準備しておきます。さて、このACTの中で提唱されている「価値」という視点は、現代社会を生きる日本人にとっても有益な考え方を含んでいます。Nカウンセリングオフィス流にポイントを簡単にまとめると以下の2点になります。

「価値」とは、「あなたが、どのような人間でありたいか」「人生という旅で、どちらの方角へ進んでいきたいか」を示す、あなただけの「心の羅針盤」のようなものです。

目標(Goal)とは少し違います。目標は「達成したら終わり」ですが、価値は「継続的に実践し続ける方向性」です。

 例えば、「健康」という価値を持つ人は、「毎日7時間寝る」という目標を立てるかもしれません。たとえある日6時間しか眠れなくても、「健康」という価値の方向へ進み続けることができます。

3. あなたの「価値」を見つけるための3つの質問

さあ、あなたの羅針盤を見つける旅に出てみましょう。 静かな場所で、少し時間をとって、次の質問に心の中で答えてみてください。

  • 質問1:もし、あなたが80歳の誕生日を祝っているとしたら? 周りの大切な人たちに、あなたのことを「どんな人だった」と語ってほしいですか?(例:「いつも人に優しかった」「挑戦を恐れない人だった」「ユーモアのある人だった」)

  • 質問2:もし、魔法でお金や時間の制約、他人の評価が一切なくなったら? あなたは、どんな活動に自分のエネルギーを使いたいですか?それはなぜですか?

  • 質問3:あなたが最も「自分らしい」と感じる瞬間はどんな時ですか? 最近、心から「生きてるな」と感じたのはどんな経験でしたか?その経験の、何があなたの心を動かしましたか?

これらの質問への答えの中に、あなたの「価値」のヒントが隠されています。(例:「繋がり」「成長」「貢献」「自由」「穏やかさ」など)

おわりに:価値があなたを自由にする

 例えば(あくまでも例えばですよ)「この仕事を引き受けるべきか?」と迷ったら、「この仕事は、私の『成長したい』という価値に繋がるだろうか?」と問い直してみる。

 「だらだら動画を見てしまう」自分を責める代わりに、「私の『穏やかな時間を大切にしたい』という価値を満たす、他の方法はないだろうか?」と考えてみる。

 このように、「価値」という視点を持つことで、私たちは日々の選択に意味を見出し、より納得感のある人生を歩むことができます。

 もし、一人で自分の価値を見つけるのが難しいと感じたり、見つけた価値に沿って行動する勇気が出なかったりするなら、気軽にご相談ください。カウンセリングは、あなただけの「心の羅針盤」を一緒に探し、その使い方を練習する、安全な場所です。


【監修:Nカウンセリングオフィス

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