【感情の起伏の話】怒りについて少し考えてみませんか?

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はじめに

 みなさん、こんにちは。カウンセラーNです。今回は相談でよく出てくるテーマの一つである、扱いに困りやすい「感情の起伏」について話をしていこうと思います。「感情の起伏」と一口に言っても様々な種類の「感情の起伏」があると思います。ちなみに、ここで言う「感情」とは、いわゆる、「喜怒哀楽」のようなことを指していると思ってください。もう少し言えば、ここで言う「感情」とは何かについてこう思うという「I think 出来事について」的な物ではなく、「I feel happyやangry」みたいに1単語で表せるような感情そのもののことです。

 

 「喜怒哀楽」の中で、特に大きな問題になりやすいのは、「」と「」ですね。その中でも「怒り」というやつの扱いは厄介です。「怒り」は自分だけではなく、他者への影響も大きいため、対人関係面で大きな問題が起きやすい感情です。心理療法の分野でも、「アンガーマネジメント」というものがあるくらいに多くの方が扱いに困っている感情が「怒り」だと言っても良いでしょう。

 

 「怒り」というものが起こるプロセスは様々ですが、人間関係において問題になりやすいのは「自分の持っている相手への期待と相手のとっている行動のズレ」から生じることが多いです。ちなみに、このズレのことを対人関係療法などでは「役割期待のズレ」と呼んだりしています。この「役割期待のズレ」について、ものすごく簡単に言ってしまうと「役割期待のズレ」とは「相手が自分の思った通りにしてくれない」ということです。

 

 こうやって言うと「単にわがまま」のように聞こえてしまいますが、そこには「単にわがまま」もしくは「甘えのような側面」(単純に甘えというわけではありませんので誤解しないでくださいね)がありつつも事態はもう少し複雑だったりします(甘えについては、著名な方が色々と考察していますので、よければ検索してみてください)。ちなみに自らカウンセリングに訪れる方は「そうやって怒ってしまう自分をなんとかしたい」「こんな風に怒ってしまう自分が嫌だ」という方が多いです。おそらく、ここまで読んでみて「はっ!?何言ってるの?じゃあ相手に期待しないで、怒らないようにすればいいじゃん」と思う方と、「その感覚わかります」という方に分かれるかもしれません。

 

 精神状態良くて気持ちに余裕がある場合は、「相手に期待しないで、怒らないようにすること」がわりと容易にできたり、イライラしても気持ちを抑えると言う行動をとることができるかもしれません。しかしながら、精神状態が悪く気持ちに余裕がないときは、普段はそこまで困らない怒りの制御が難しくなることがあります。また、特定の人間関係において、特に、家族や恋人のような親しい関係性の相手に対して非常にコントロールが難しくなる場合があります。また、その人(怒りやすい人)の背景にうつ病や不安障害、発達障害、その他の精神衛生上の問題などがある場合も強い「怒り」の感情に振り回されやすくなります。こういった場合には、自分でもわからないくらいに制御が効かない怒りになることが多く、「冷静になると自分でも引くくらいに制御の難しい怒りに振り回されてしまうことがあります

 

おわりに

 実は「怒りに振り回されてしまう自分を変えたい」と言う相談は珍しくない物です。このような悩みで相談に来る方は、身内に同じような方がいる(その人のことが嫌いな場合が多い)ことも多く、自分もその家族と同じような人間になってしまうのではないかと言う不安を抱えていることもあります。カウンセリングでは、そのような状態に陥っている自分についてカウンセラーと様々な角度から状況を共有しながら、また、必要に応じて医療機関なども利用しつつ改善を目指していきます。よく「性格は変わらない」と言ったりしますが、多くの場合、時間はかかりますが、カウンセリングや服薬治療などを受けながら、自分の中の行動として「怒る」という表現ではない適切な行動が取れるようになってきます。


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