【大人の発達障害とカウンセリング】カウンセリングは万能なの?

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大人の発達障害って!?

はじめに
 本日は「大人の発達障害」とカウンセリングについてです。近年、「大人の発達障害」と言う言葉を耳にする機会が増えたと思いませんか?子供の発達障害で症状が目立つ方は3歳から12歳くらいまでの間に自閉スペクトラム症(以下、ASD)や注意欠陥多動性障害(以下、ADHD)、学習障害(以下、LD)などの診断を受けることが多いと言われています。この時期を過ぎると、その後の中学、高校時代は仮に発達障害やその傾向があったとしても親や教師、友人など周囲のサポートで何とかやれてしまうことが多かったりします。と言うのも、この時期(思春期)は多感な年頃なので、何かしら気になることがあっても勉強さえできていれば大きな問題として扱われないことがほとんどだからなのです。いや、もちろん実際には、この時期に発達障害の二次障害としての抑鬱症状や不安症状をきっかけに診断される方も少なくはありません。


 そして、今回のテーマである、いわゆる「大人の発達障害」が発覚しやすいタイミングは自己管理が必要になってくる大学時代や新社会人になるタイミングが多いと言われています。その要因の一つは、学生個々人で生活スタイル(授業、バイト、サークル等)や人間関係が大きく違うことがあげられます。もう少し言うと、求められる作業や人間関係が中学高校時代よりも複雑になったり、自分自身でやらないといけないことが増えた結果、色々と上手くいかないことが増えてきて、「自分は人と何かが違う?」という問題に自分自身で気がつくようになるわけです。特に最近はインターネットの記事を見て、「自分は発達障害ではないでしょうか?」と相談に来る方が非常に増えました。


 実は自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害といった発達障害者と健常者との間に質的な違いはありません(ちなみにLDは少々事態が異なります)。あらゆる人はいわゆる発達障害的な特性を多かれ少なかれ持っていて、そして発達障害的な特性はスペクトラム構造、つまり曖昧な境界線を保ちながら濃淡のよう続いています。インターネットの記事を見ると、色々と当てはまってしまうため、気になる方が多いわけですが、あらゆる人が当てはまる特性でもあるので、色々と当てはまって当然というのもまた事実ではあるのです。


おわりに

 そう言った前提を踏まえた上で一つ大切なことは、診断にとらわれず自分自身がどういう特性を持っていて、その特性が社会生活を送る上でどの程度重篤であり、社会生活にどのように支障をきたしているのかを(場合によっては専門家と一緒に)じっくりと検討することです。つまり、自己を理解してどのように社会生活を送るかが非常に大切になってきます。ある意味、発達障害的な特性が色苦濃くても、社会生活上や職業生活上でそれほど支障が出ていないのであれば、そのことを過度に気にする必要はないとも言えます。ただし、発達障害的特性によって生活が著しく障害されている場合は、医療機関の利用やカウンセリングを受けることが非常に有効だとされています。カウンセリングの中で自己理解や自己受容を深めることは、発達障害に関わらず、多くの人にとって役立つことが多いものです。もっとも自己理解を深めることは、時には自分自身の傷つきにつながることもあるので、カウンセリングが必ずしも万能だとは言えないですが、この辺り関しては、また別の機会にお話ししたいと思います。




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