「セルフ・コンパッション」とは?──自分を責めがちなあなたに届けたい「心のやさしさ」

 

【「セルフ・コンパッション」とは? 自分を責めるクセを手放す方法】

 何かをうまくできなかった時、失敗した時、あなたは自分にどんな言葉をかけますか?

「なんでそんなこともできないの?」「また失敗しちゃったの?」「自分はダメな奴だ」――そんな風に、自分に厳しくしていませんか?

 実はそれ、知らず知らずのうちにあなたの心を削ってしまう習慣なんです。


「セルフ・コンパッション」とは?

 「セルフ・コンパッション(Self-Compassion)」とは、困難な状況にある自分に対して、あたたく、優しく接する心の態度のことです。

 アメリカの心理学者クリスティン・ネフ博士が提唱した概念で、以下の3つの要素から成り立っています。

  • 自己への優しさ(Self-kindness) 失敗や不完全な自分を厳しく裁くのではなく、「しょうがないよね」と優しく受け入れます。

  • 共通の人間性(Common Humanity) 自分の欠点や苦しみを、誰にでもある「人間らしさ」の一部として捉えます。「完璧な人なんていない。自分だけじゃない」という視点を持つことです。

  • マインドフルネス(Mindfulness) 自分の感情や思考を、否定することなく、ありのままに観察します。つらい気持ちに飲み込まれるのではなく、一歩引いた視点から冷静に見つめる姿勢です。


なぜ効果があるの?

 セルフ・コンパッションを実践すると、心と体に良い影響があることが科学的にも証明されています。

  • ストレスの軽減: 自分を責めないことで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が減り、心が安定します。

  • 回復力の向上: 失敗を恐れなくなることで、挑戦する意欲が湧き、困難から立ち直る力が養われます。

  • 幸福感の増加: ネフ博士の研究では、セルフ・コンパッションが高い人は、幸福感も高い傾向にあることが示されています。


セルフ・コンパッションの実践例

 では、どうすればセルフ・コンパッションを生活に取り入れられるでしょうか?

  • 「今つらいけど、それでもよく頑張ってるよね」と自分に温かい言葉をかける。

  • 一日の終わりに、「今日できたこと」をノートに書き出したり、受け止めてくれる人に話してみる。

  • 呼吸に集中しながら「完璧じゃなくていい」と自分に許可を出す。


まとめ

セルフ・コンパッションは、自分を甘やかすことではありません

むしろ、本当の意味で自分を大切にし、精神的な安定と心の強さを育むための、科学的にも効果のある習慣です。今日から少しずつ始めてみませんか?

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