スマホ世代の心の叫び!若者のメンタルヘルスが実はヤバいってホント?【デジタル世代の心 Part 1】
【第1回】 デジタルという綱渡り:21世紀における青少年のメンタルヘルス
皆さん、こんにちは!「デジタル世代の心」へようこそ。このシリーズでは、スマホやSNSが当たり前になった現代で、子どもたちの心に何が起きているのか、そして私たち大人が何ができるのかを、一緒に考えていきたいと思います。記念すべき第1回は、ちょっと衝撃的なデータから始めさせてください。
📉 大人は減ってるのに…若者だけが増えている「心のSOS」
最近のニュースで「日本の自殺者数は全体的に減っている」なんて話、聞いたことありませんか?実際、ここ20年ほどで大人の状況は改善傾向にあるんです。でも、その裏で、実は小中高生の自殺者数が過去最悪レベルで推移しているという、非常に心配な事態が起きています。
令和5年(2023年)には513人の子どもたちが自ら命を絶ち、これは統計を取り始めてから最も多かった前年とほぼ同じ数字なんです。大人の世界では少し光が見えてきたのに、なぜデジタル機器に囲まれて育った世代だけが、こんなにも苦しんでいるのでしょうか?(出典:
特に、パンデミック以降、女子生徒の増加が目立つのも気になるところ。この問題、実は日本だけじゃなく、世界中の若者が同じような悩みを抱えているんです。(出典:
📱 ほぼ24時間オンライン?イマドキの若者のデジタル事情
「最近の若者はスマホばっかり見て…」なんて言うのは簡単ですが、データを見るとその没入度は想像以上かもしれません。
高校生のスマホ所有率: なんと99.4%!もはや持っていない人を探す方が難しいレベル。
1日のネット利用時間: 平均で約4時間41分。これは、1日(24時間)の約5分の1をインターネットの世界で過ごしている計算になります(いや、眠っている時間を計算すると起きている時間の何割なのか・・・)。
さらに、高校生の約10%にスマホ依存の疑いがあるとの調査結果も。もはやスマホは便利な道具というより、生活の一部、いや、身体の一部になっているのかもしれませんね。(出典:
⚔️「居場所」であり「戦場」でもあるSNSという諸刃の剣
では、その長い時間、彼らは何をしているのでしょう?その答えの多くはソーシャルメディア(SNS)にあります。
多くの若者にとって、SNSは友達とつながり、好きなものを共有し、時には悩みを打ち明けられる大切な「居場所」です。学校や家庭以外の世界で、自分らしくいられる聖域(サンクチュアリ)のような空間なんですね。(出典:
しかし、光が強ければ影もまた濃くなるもの。この「居場所」は、一瞬にして恐ろしい「戦場」に変わります。
ネットいじめ: デジタル空間でのいじめは、学校が終わっても逃げ場がなく、24時間続きます。若者からの相談で最も多いのが、実はこのSNSを通じた友人関係の悩みなんです。
キラキラ投稿疲れ(社会的比較): 友達の楽しそうな投稿を見て、「それに比べて自分は…」と落ち込んだ経験はありませんか?若者たちは常に、加工され、理想化された他人の人生と自分を比べてしまうプレッシャーに晒されています。研究では、1日に3時間以上SNSを使うと、うつや不安のリスクが2倍になるという結果も出ています。(出典:
)HHS. 寝不足と成績不安: 夜遅くまでスマホを見てしまい、睡眠不足に…。そして、その睡眠不足が学業の不安につながるという悪循環も指摘されています。
だから、単純に「スマホやめなさい!」というのは逆効果。彼らにとっては、大事な社会とのつながりを断ち切られるようなものだからです。
大切なのは、「オンラインを減らす」ことよりも、「オフラインの楽しい時間を増やす」こと。リアルな世界での「居場所」を一緒に見つけてあげることが、私たち大人にできる最初の一歩なのかもしれません。
さて、今回は若者のメンタルヘルスとデジタルの関係を見てきました。次回は、ついついやってしまう「症状のネット検索」が、逆に不安を増幅させてしまう「サイバーコンドリア」という現象について、解説していきます!お楽しみに!
🖋️ おまけコラム:なぜ「女子」のほうがSNSで傷つきやすいの?
今回の記事で、特に女子生徒の自殺者数が増加しているというデータに触れましたが、これにはSNSの特性が大きく関係していると考えられています。なぜ、男子よりも女子のほうがSNSによるメンタルヘルスの影響を受けやすいのでしょうか。
一つは、コミュニケーションの質の違いです。一般的に、男子はオンラインゲームなど「活動」を共有する場としてSNSを使う傾向があるのに対し、女子は自己開示や共感、関係性の維持を目的とした「対話」の場として使うことが多いと言われています。そのため、仲間外れや「いいね」の数、コメントの内容といった評価が、自己肯定感に直接結びつきやすいのです。
もう一つは、「見た目」へのプレッシャーです。Instagramなどに溢れる加工された完璧な写真や理想的なライフスタイルは、「こうあるべき」という強力なメッセージを発信します。特に自己像が揺れ動きやすい思春期の女子にとって、この理想と現実のギャップは深刻なストレスとなり、身体イメージへの不満や摂食障害の引き金になることさえあります。
もちろん、これはあくまで傾向であり、すべての若者に当てはまるわけではありません。しかし、こうした男女間のデジタル体験の違いを理解することは、より的確なサポートを行う上で非常に重要です。単に「SNSの使いすぎはダメ」と叱るのではなく、「SNSの世界とどう距離を取るか」「自分を他人と比べない心の持ち方」を一緒に考えてあげることが、特に女の子の心を守る盾になるのかもしれません。
「本記事は、公開されている情報や報告書を参考にしつつも、筆者の個人的な見解や解釈を交えて構成しています。査読を受けた学術論文ではありませんので、学術的なエビデンスとしての利用はお控えいただけますようお願いいたします。」
【監修:Nカウンセリングオフィス】
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